その変更管理、ビジネスに必要ですか?

『今』、プロジェクトを成功させたい

と思っている人の為の Webインテグレーター細川です。

Webサイト構築やシステム開発において、スコープ管理(要件の範囲を管理すること)はすごく難しい問題です。
※スコープ: 要件の範囲のこと 


要件が、当初計画したスコープから溢れてしまうと、納期やコストを担保できなくなってしまいます。


なので、受託企業は当初計画からスコープが溢れないように、溢れないように、必死になってスコープを管理します。


でもお客さんにとって、 
「スコープを溢れないようにすること」
は、 彼らのビジネス上優先度が低いので、
 「○○の機能はやっぱりこうしたい」
 「○○の条件はこう変えてほしい」
といった要望を次々と挙げてきます。


そりゃそうです、だって「ビジネス」を成功させることが、お客さんのミッションですから。



それ仕様変更?、いやいや仕様バグでしょ


お客さんのこうした要望を受入られるかどうかは、品質・納期・コストの兼ね合いで決まります。


要望が「仕様変更」なのであれば、納期とコストに影響するので、追加予算とスケジュール延長が必要になるかもしれません。


受託企業は、
 「要件定義で決めた内容と異なるご要望なので、○○は仕様変更です」
と主張します。 


しかしお客さんは、
 「それが仕様変更だって?、いやいや、それはおたくが仕様を取り違えた仕様バグでしょう」
と言ってきたりします。
(というか、これはよくあります)


お客さんはこれ以上予算を増やしたくはないので、当然このように言ってきたりしますね。
(お客さんに悪気はなかったりします)


これが1つや2つなら問題ないのですが、プロジェクトが中規模以上になってくると、 こうした要望が100とか200とか、場合によっては数百になったりします。


そうすると、これらを口頭でやりとりするわけにはいかないので、「変更管理表」という帳票をつくって管理することになります。


数百ある要望に対して、
  「○○は微妙ですが、要件定義書に明確には書かれていませんので、変更要件として追加で予算が必要です」 とか、 
 「これだけの変更要件を受け入れるには、納期を1ヶ月延長せざるを得ません。納期厳守と聞いていますので、この変更要件は却下させていただきます」
といったやりとりが、お客さんと受託企業の間で何度もやりとりされます。
(※ちょっと誇張して書いてますが)


このように、中規模以上のプロジェクトは、この「変更管理」にものすごい時間を費やすことになるのです。



その変更管理、ビジネスに必要ですか?


IT業界、特に受託ビジネスを生業としている企業にとって、「スコープ管理」って当たり前ですよね。 


有名なプロジェクト管理体系であるPMBOKにも出てくる概念です。
前述したとおり、スコープ管理には必ずといっていいほど「変更管理」が必要になってきます。


でも、はたして本当に必要なんでしょうか?


僕自身も、この15年間ずっと必要なものだと思って過ごしてきました。


変更管理をいかにうまくこなすかがプロジェクトクト成否の一要素だと思ってきました。
 が、お客さんは、
 「ビジネスを成功させたい」
という思いで要望を言ってきているわけです。


プロジェクトを破談させようと思って言ってるわけではないし、
受託企業を困らせてやろうと思って言ってるわけではないのです。


プロジェクトは数ヶ月かかりますし、その間にお客さんのビジネス環境が変わったり、 やりたいことが増えたりするのは当たり前なので、 受託企業としては、要望を受け入れてお客さんのビジネス成功の確率を上げていく取り組みが必要なのではないか、と思うのです。


もちろん、要望をどんどん受け入れて、プロジェクトに反映させていくためには、 従来の請負契約では実現することができません。

「じゃぁどのような契約なら実現するのか?」

については別の機会にお伝えしたいと思いますが、

 従来の「変更管理」は、

「ビジネスを成功させたいお客さんにとって、必要のない手続きである」

ということは、間違いなく言えることだと思っています。


株式会社グリームオーブ
代表取締役 細川尚史

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